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第44話 好きって書かれた側は、嬉しいとは限らない

last update publish date: 2026-09-22 15:32:37

第44話 好きって書かれた側は、嬉しいとは限らない

 翌日のフェチ研では、いつものように机の上にカードが並んでいた。

 ただし。

 昨日までと違って。

 誰も最初から楽しそうには読まなかった。

 机の中央。

 一枚だけ。

 他のカードと分けて置かれている。

『経済学部の一年で、いつもポニーテールにしてる陸上部の子が、練習後に髪をほどく時が好き。汗で首に髪が張りついてるのも好き。』

 俺は。

 昨日から何度も読んだ。

 読むたびに腹が立つ。

 でも。

 怒るだけで終わらせたら。

 多分駄目だ。

「陽菜ちゃん」

 神崎先輩が言う。

「今日、本当に話して大丈夫?」

「はい」

「途中でやめてもいいからね」

「分かってます」

 陽菜はカードの向かいに座っている。

 いつもより少しだけ姿勢が硬い。

 俺は隣。

 でも。

 今日は。

 手を握っていない。

 陽菜から求められていないから。

 澪先輩。

 神崎先輩。

 それから。

 昨日、神崎先輩が連絡を入れたらしく。

 西村も来ていた。

「俺、いて大丈夫ですか」

 西村が少し気まずそうに聞く。

「陽菜ちゃんがいいなら」

 神崎先輩が確認する。

「大
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